イタコとは
イタコは日本の霊能者の一種で、東北地方などに住み口寄せによって霊との交信を行う巫女(シャーマン)です。強い霊能力を持ち、死者や祖霊、動物霊の他、生きている者の霊魂にも作用し、交霊をすることで相談者の悩みを読み解きます。
イタコは生まれながら、または幼くして盲目や半盲目になってしまった女児が、生活の糧を得るために師匠のイタコに弟子入りして、何年にも及ぶ苦しい修行を経て能力を身につけ、神に仕える巫女の1人として誕生するものです。
イタコと言えば、三代霊山の1つである「恐山」にいるイタコが有名ですが、実際に恐山にいるのは年に2回、恐山大祭と恐山秋詣りの時だけで、普段は東北地方の各地で生活をしています。現在イタコの数は年々減少しており、高齢化が進んでいると言われています。
イタコが使う道具
多くのイタコは、霊能力を高めるために数珠やいらたか念珠を用いますが、中には楽器を用いるイタコもいます。その際に使われる楽器は梓弓と呼ばれる弓状の楽器が多く、他には倭琴や太鼓といったものも用いられます。れらは古くから日本の農村地帯で使われてきた伝統的な音楽楽器で、日本古来の神々とつながるシャーマニズムの名残だと言われています。
イタコにできること
イタコにできることのうち需要が多いものを紹介します。この他にも、特殊な呪文を使い、イタコは様々な霊能力を放ちます。
口寄せ
死者や生者などの霊魂、神などと交信し、媒体となり意思を伝える技法。
仏降ろし
死者の世界にいる先祖や肉親、友人、知人、ペットなどと交霊し、その言葉を伝える技法。口寄せの一種。
神降ろし
神の言葉や意思を語る技法。口寄せの一種。
占い、預言
物事の吉凶を判断したり、予兆を伝えたりする際に行う。
祈願・祈祷
安全祈願や病気回復、運気向上など悩みに応じた祈願・祈祷。
供養
先祖供養、水子供養、憑き物供養など。
イタコ直伝の技を持つ人々
イタコの中でも霊能力が高く、群を抜いて優秀なイタコは「神様」と呼ばれます。強い霊能力を持つシャーマンとして、日本各地から相談者がひっきりなしに訪れますし、弟子志願の人も多く訪れます。しかし、イタコになるには思春期前の女子でなければならない。師匠の元で何年にも渡る修行をしなければならない。東北地方に住まなければならないなど制約が多く、実際にイタコになることができる人はほとんどいません。
しかしイタコにならないまでも、イタコに弟子入りをしてイタコ直伝の口寄せや祈祷術を教わり、霊能者として独り立ちする人が若干名ですが存在しています。
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