断易とは
春秋戦国時代(前770年~前221年)末期に、鬼谷子と呼ばれる人物が確立したと伝えられる占いです。(ただし、鬼谷子は歴史上の人物であり実在しないとも言われます)
立てた易の卦の意味を重視し易卦全体を使って占う周易と異なり、断易では易を形作る6つの爻に十二支や六親を割り振り、陰陽五行による生剋関係を用いてシステム的に判断していきます。易本体の意味はほとんど見ません。また、判断には占った日時を使い、吉凶や物事が動く時期などがはっきりと分かるのが特徴です。
尚、断易は昔から様々な呼び名で呼ばれていますが、現在は「断ずる易」という意味合いもある「断易」が一般的な呼び名となっています。
断易以外の呼び方
断易以外の呼び方の一部を紹介します。
鬼谷易
鬼谷子が確立した易という意味合いがあります。
三文易
易の卦を立てる際に一文銭を3枚用意して占ったことから「三文易」という名がつきました。
五行易、五行干支易
五行や干支を重視して占うため、この名がついています。
納甲易
五行や六親を配置する際に使う納甲表からこの名がつきました。
断易が得意とすること
断易が得意とすることは、その名の通り「答えを断ずる占い」です。事業占や勝負占、物事の吉凶など、はっきりと答えを出したいこと全般に向いています。とは言え、単に吉凶が占えるだけではありません。物事が動く時期や隠されている事柄、ライバルの有無など、その問題に関わる重要な事柄がすべて1つの易卦に現れ、質問に対する答えを的確に把握できるのが断易です。易卦の形を借りてはいますが、周易とは大きく異なる占いで、どちらかと言えばタロットを使ってスプレッドを展開するようなイメージで捉えるとよいでしょう。
断易が不得手とすること
結果や吉凶をはっきりと判断できる断易ですが、システム的な占いに特化しているため、周易のように微妙なニュアンスを汲み取ることは苦手な分野になります。例えば相手の気持ちや物事の背景に流れるニュアンス、全体的な流れなど。その点を補うために、出現した易卦の意味を判断に組み入れる占い師もいますが、本来断易は周易とはまったく異なる占いのため、周易の意味を汲み取ることは正しくないと言われています。断易はピンポイントに答えを求める占いで、物事に流れる微妙なニュアンスや空気感、全体的な流れを見る時は周易を使うというように、占断によって使い分けるのが正しいと言われています。
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