宿曜占星術

宿曜占星術とは

宿曜占星術は、紀元前のインドが発祥とされる占いで、紀元前10世紀頃に智恵の菩薩として知られる文殊菩薩が月の満ち欠けを元にした28宿の暦を作り、「宿曜経」に表したのが最初と言われています。
その後、インド密教占星術に取り込まれ、不空三蔵によって仏教と共に中国に渡り発展したのが現在の宿曜占星術の元になっていると言われますが、実際の発祥は異なるルーツを持つというのが現在の大方の認識です。尚、中国で確認されている最古の28宿は戦国時代初期(紀元前5世紀後半)の墓から出土したものです。
宿曜占星術が日本に伝えられたのは、弘法大師こと「空海」によると言われています。仏教の教えと密接に絡み、当時の主流だった陰陽道と共に人気を二分するまでになったそうです。尚、日本で確認できる最古の28宿図は、7世紀~8世紀頃に造られた高松塚古墳やキトラ古墳の壁画に、白虎などの四神と共に描かれています。

宿曜占星術における27宿と28宿の取り扱い

古来の日本において占いとしての宿曜占星術は28宿が主流だったと言われますが、実際には27宿も使われていたそうです。平安時代(794年~1185年)の暦(宣明暦)の暦注(運勢や吉凶の判断となるもの)には28宿ではなく、27宿が使われています。その後、1685年の改暦によって28宿に統一されましたが、それまでの間は民間においては27宿が主流だったと思われます。
27宿と28宿どちらの宿曜占星術も現在に残っていますが、少し前までは28宿を比較的よく見かけたのに対して、現在は27宿が主流となっています。27宿と28宿の違いは、「牛宿」が入るかという点ですが、28宿は「7の倍数で12との間に公約数を持ち、曜日や十二支と密接な関係があるため28宿が正しい」という声に対して、実際の鑑定現場では「27宿の方がしっくり来る」という声が多いようです。そのため、実践重視の占い師は27宿を採用する人がほとんどです。

宿曜占星術で占えること

宿曜占星術では個人の性格や能力、社会性の他、対人関係の相性と日々の運勢を見ることができます。特に相性占いでは、27宿すべての相性を見ると729通りにもなり、簡単でありながらも、その精密さや的中率は他の占いに勝ると言われています。
また、宿曜占星術では縁や業、因縁といったような部分も鑑定でき、単によい悪いではなく運命的な観点からの相性や縁の深さを診断できるのが特徴です。鑑定の現場でも判断の参考になるとして、メインでなくてもサブ的に取り入れる占い師も多いです。

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