易学

易学とは

易学は、学問として勉強されている易(易経、周易)、または易占いの総称です。そもそも「易」は中国に伝わる学問の1つで、紀元前3000年頃には易の元となる八卦の概念が、紀元前1100年頃には現在の形である64個の卦(結果を表す形)が作られました。現在の形になったのがこの時代(周の時代)であったため、易のことを周易と呼ぶ人もいます。日本では古くに伝わり、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉で浸透しました。現在は占いと言えばタロットなどのカード占いを思い浮かべる人が多いと思いますが、昔は駅前などで辻占いをする人は易学を修めた易占い師(易者)がほとんどでした。

易学の基本概念

易学では、自然界のすべては陰と陽で構成されていると考えられています。その陰と陽の組み合わせにより、8個の象徴が生まれ、8個の象徴を上下に2つ組み合わせることで64個の卦(易の形)を作り、それによって万物の変化や過去・現在・未来に起きる事象を読み解きます。

帝王学として大切にされた易学

周易の64卦とその卦に対する6通りの変化(64×6通りで、合計384通り)について書かれている易経は、儒教の基本書籍「五経」の筆頭にあげられる経典で、「中庸の精神」重んじる儒教の教えが詰まっています。中国では人生の指針とする書物とも考えられ、古くから帝王学の1つとして重要視されてきました。現在でも、占いとしてではなく学問として学ぶ人も多い経典です。

主な易の種類

周易

周の時代に確立された占いで、一般的には「易」と言えば周易を指します。タロットのように相手の気持ちや現在の事象、過去や未来を占うことができます。様々な流派があり、海外では「イーチン」と呼ばれタロット化もされています。

断易(五行干支易)

春秋戦国時代(前770年~前221年)末期に確立された占いです。易卦の意味を重視する周易と異なり、易卦の形に十二支や陰陽五行を割り振り、生剋関係を使ってシステム的に判断していきます。断易(断ずる易)という名前の通り、周易よりもはっきりと吉凶の答えが出るのが特徴です。時期を占うのが得意です。

梅花心易

中国北宋時代(11世紀)に確立された占いです。周易や断易と異なり、判断の基となる易卦を出す時に道具を使わないのが特徴です。占断する年月日時や周囲の事象を元に数を割り出し、それを使って易卦を立てます。判断の際には周易としての要素の他にも、断易のように占う事柄の吉凶をはっきりと判断するところがあり、周易と断易のそれぞれの特徴を併せ持つと言われています。

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